長い話

この頃すっかり、ご無沙汰ぶりになってしまっていた方に、ご無沙汰ぶりになってしまっていた理由である首の負傷について話した後に、側にいた次男から「お父さん、話長かったで。」と言われた。

 


俺は、話の長いおっさんにだけはなりたくないと思って、今日まで生きてきたというのに、よりによって俺自身が話の長いおっさんになってしまっていて、しかもそれをうちの家族の中で一番常識的と言われている次男からやんわり指摘されるという大失態を今日犯してしまった。確かに今、脳内リプレイしてみたら俺の話は長かったかもしれない。

 


思わぬことを言われた俺は、20代のフリーターをしていた頃、友達の家へ行ったら、「この世で最高の雑炊を食わしたるわ!」と言われて、俺が参加してない昨夜行われたらしい宴の残り汁で雑炊を作られ、キラキラした目で皿に盛られた時くらいゾッとした。

 


しかし、例えばヒーロー戦隊は、最初から変身して登場した時は必ず負けるけど、時間をかけてキメキメの変身ポーズで出てきた時には必ず勝つというジンクスもあるわけだし、そもそも話が長いかどうかは相手の主観で決まることであって、決して会話に参加していない奴からとやかく言われる筋合いはないと思うのだ。しかも次男には、「従兄弟が遊びに来ているから、早く家に帰りたい。」という、どんな話であっても長く感じる理由もあったわけだから、決して俺だけが悪いわけではない。会話はキャッチボールであり、雑炊には決して知らん奴の唾液を感じたくないのであり、ヒーロー戦隊といえば俺が小学校5年生の時に、仲良し3人組で結成されたオズマーズが最強なのである。

 


……え?ひょっとして俺の話、長い?