敗北

色々と思うところがあって、今年の夏にスナック菓子を食べるのを一切やめた。単に食べすぎだったことに気づいただけなのだが、あんなに高カロリーで何が入っているのかよくわからないスナック菓子を毎日毎日食べ続けて体に良いはずがない。

 

お気に入りは、キャベツ太郎、カラムーチョ、スッパムーチョ、横綱あられ、えび満月、柿の種、パクチーチップス、おにぎりせんべい、ぼんちあげ、うまい棒じゃがりこ………などなど、あれだけ好きで、毎日食べていたというのに、最近の俺はまったくスナック菓子に興味を持たなくなってしまっていた。目の前で子供たちがスナック菓子を食べていても、もはや手が出ることはなく……旨そうにスナック菓子を食べる大人を見ると、嫌悪感すら感じている俺がいた。

 

いやいや、大人になってまで、そんなん嬉しそうに食べるなんてアホやん?と、(かつての自分のことを棚に上げて)心の中で思っていた。そう俺には自信があった。今後俺は、二度とスナック菓子を口にすることはないだろう。

 

 

 

しかし、思わぬところに落とし穴は空いていた。まさか、こんなことになるなんて思いもしなかった。俺を貶めたそいつの名はポンスケ。
カリっと香ばしい甘辛醤油の海苔味のやつだ。あられやおせんべいでお馴染みの、ぼんち株式会社の密かな人気商品のひとつで、小分け袋に入っているため外出時のおやつにもぴったりで、あまからのタレと、あおさがマッチしたひとくちサイズのスナック菓子なのだ。
 
ちなみに、かつてスナック菓子が大好きだったころの俺は、ポンスケにはほとんど興味がなかった。だから、油断してしまったのだろうか……出会いはあまりに突然だった。昨夜、ビールを飲みながらカツオのタタキを食べていたら、思いのほかタタキの量が多かったため、ビールの次に缶チューハイに手を出していた俺は、今度はチューハイを持て余してしまっていた。皿からはタタキもなくなってしまい、さて残りのチューハイをどうしたものかと考えていたところ、妻が友人からもらってきたという菓子が入った紙袋を俺の前に持ってきたのだ。クッキーや煎餅、瀬戸内レモン風味のツマミに紛れて出てきたポンスケはあまりにキュートだった。
f:id:themegane3:20181102111440j:image
気づいたら俺は、ポンスケを開け、無我夢中で頬張っていた。
 
酔ってたから……なんて、ありきたりの言い訳をするつもりはない。かといって敗北したわけではない。これは新たな出会いなのだ。
f:id:themegane3:20181102111450j:image
ポンスケ鬼旨いなちくしょう。