サーフィン

双子の兄がドラムを叩いているサーフロックのバンドを観に行ってから、Jack JohnsonやALO、Ben Harperなどのアルバムを買い漁っている。こんなにカッコいい音楽を、これまで知らずに生きてきたことを悔やむと同時に、いっぺんにこんなにたくさんの優れたアルバムに囲まれる幸せを噛み締めている今日この頃なのである。

 

昨夜も、サーフロックのサウンドに包まれたくて、兄のバンドを見に行ってきたのだが、MCで兄が、サーフィンをしてから作った音階がどーだの、西海岸の乾いたスネアの音がどーだの言っていた。


おいおい、兄はサーフィンをしたことがなかったはずだ。西海岸に行ったという話も聞いたことがない。まぁ、俺も行ったことないけど、サーフィンならやったことがあるので、サーフロックのことは兄よりも俺の方が、分かりみが深いのではないだろうか。サーフロックの魅力とは、サーフィンをした後に、海辺でギターを奏でて、ゆる〜い感じで作られたメロディが絶妙であり、また西海岸の気候によって、スネアドラムの乾いた音が最高で、これは日本のスタジオでは出せない音なのである。えっへん。

 

 


さて、サーフィンといえば、俺の友人でサーフィンを会議室で教えている変わり者のMちゃんがいる。Mちゃんはサーフィンのブログを書いていたことをきっかけに、中級以上の伸び悩んでいるサーファーを対象にした、座学を開くまでになったのだ。以前、そのMちゃんにサーフィンを教えてもらうために、高知県まで一緒に行ったのだが、残念ながら波がなく、Mちゃんは完全に拗ねてしまっていた。しかし、俺はその日を境にMちゃんに対して、ある疑惑を抱いている。


Mちゃんは、ほんとにサーフィンができるのだろうか?この日、俺は、Mちゃんのテクニックを盗もうと、チラチラと見ていたのだが、一度としてMちゃんが波に乗っている姿を見ることがなかったのだった。波は、確かに小さかった。それでも、サーフィンをするのが、人生で二度目の俺でも、一回だけ小さい波を摑まえることができたのだ。ベテランなら、波のせいにせず、もうちょっとなんとかすることができたのではないだろうか。


SNSで、Mちゃんがカッコよく波に乗っている写真を見たことがあるけど、きっとあれは、アイコラだ。フォトショ使ったらそれくらいの加工はなんでもないもんな。試しに、「Mちゃん、Jack  Johnson聴いたことある?」と聞いてみたら、「昔CD持ってた気がするけど、どっかいってもうた。」と愛想なく答え、「あいみょん、ええよな。」とか、50過ぎたおっさんのくせにキラキラした目で言ってた。やはり、陸サーファーへの疑念が拭えない。もはやこれは、Mちゃんよりも、俺の方がサーフィンへの分かりみが深いと言ってしまってもいいだろう。

 

 


中級以上の伸び悩んでいるサーファーがいたら、相談に乗ってあげることにしようと思っている。

 

♪「Girl, I Wanna Lay You Down」ALO(Animal_Liberation_Orchestra) feat. Jack  Johnson

 

 

おわり