最近、ランバージャックス(※1)の本社でチェーンソーを使っていると、近所から苦情が出るらしいですね。
そう昨今の世の中は苦情社会でもあります。
こないだ、はりま町の職員から愚痴で聞いたのですが、騒音の苦情が電話が入り、現場へ向かったところ、その家の隣りの田んぼで稲刈り機を動かしていたそうです・・・アホか。
その苦情言うてきた奴はもう二度と米食うな!かといってパンも食ったらあかんぞ!
小麦刈るときも麦刈り機(?)使わんと刈れんからな!!こうなったらピッツァもパスタも禁止(※4)じゃーーっ!!
し、失礼っ・・・脱線しました。チェーンソーへの苦情に対しては「二度と薪使うなよな!」とも言えないですし、どうしたらいいんでしょう?
そこでまず騒音について調べてみました。
実際、チェーンソーがどれくらいの騒音を出しているのか?
(社)林業機械化協会「チェーンソー・刈払機の振動・騒音等測定値一覧」によると、一般的なチェーンソーの騒音は100dB前後あるようです。
(http://www.rinkikyo.or.jp/chainsaw.html 最小値92.6dB~最大値109.5dB)
さて100dBの騒音とは・・・なんと「電車が通るときのガード下の音」に相当するらしいのです。
「たまに回すチェーンソーくらいで苦情言うてきやがって、○○の穴から手突っ込んで奥歯ガタガタいわしたろかい!」とランバージャックスの岡本杜長がおっかないことを言っていましたが「電車のガード下の音」と聞くと、確かにうるさいですね。
しかもチェーンソー2台を2人同時に振り回したりする(※5)ので尚更タチが悪い。
次にランバージャックス本社周辺の騒音の基準値を調べてみました。
昼間(6-22時)に55dB以上、夜間(22-6時)に45dB以上の音に対して規制がかかるようです。
ゲゲッ!!ぜんぜんアカンやん。
やはり人の住んでないような余所でチェーンソーを回すしかないのでしょうか。
ではどれくらい離れればいいのか?
騒音レベルは距離とともに減退するので、騒音距離減退計算ってのをやってみました。(※6)
100dBの騒音から180m離れた地点が、やっと約55dBの騒音になるんですね。
すなわちチェーンソーを使っている場所から半径180m以内がアウト。半径180mを超えるとセーフなんですね。
しかしこれはあくまで環境基準的にアウト、セーフというだけで、たとえセーフであっても近くに神経質な人で住んでいれば、たちまち苦情が出るでしょう。
下の資料をご覧下さい。
表)騒音レベルとその場の感じ
dB
|
その場の感じ
|
実 例
|
140
|
||
130
|
耳のとう痛感 | |
120
|
ジェット機の爆音 | |
110
|
トンネル内の電車の開いた窓 | |
100
|
耳を覆いたくなる | ガード下の電車通過時 |
90
|
目前の人と話ができない | 騒々しい工場 |
80
|
よほどの声を張り上げないと話ができない | 高架鉄道(車内) |
70
|
意識的に声を大きくして話す | 雑踏した街、普通の機械工場 |
60
|
うるさい感じだが普通に会話できる | 忙しい事務室内 |
50
|
ざわざわと、いつまでも音が耳について落ち着かない | 事務室、静かな歩行群集内 |
40
|
静かであるが音からの開放感がない | 耳を澄ましている聴衆内 |
30
|
静かに落ち着いた感じ | 放送用スタジオ内、静夜中 |
20
|
しーんとした感じ | 木の葉の触れ合う音 |
10
|
ささやき声 | |
0
|
防音室での最小可聴音 |
*長岡技術科学大学編「安全のための手引き」より
いくら環境基準でセーフである50dBの騒音であっても、その場の感じは、「ざわざわと、いつまでも音が耳について落ち着かない」ようですね。
これが40dBであっても「静かであるが音からの開放感がない」ので、場合によっては苦情の対象となるかもしれません。
騒音レベルが30dBになってやっと「静かに落ち着いた感じ」だそうです。
で、チェーンソーが出す100dBの騒音が、「静かに落ち着いた感じ」になる30dBまで減退する距離を計算してみました・・・ら
・・・な、なんと3kmも必要なんですよ奥さん!
チェーンソーから半径3km以内は「なんだか蒸すわぁ・・・♡」もとい「なんだか落ち着かない。」可能性が高いんですね。
もちろん何も遮る物がない状態での騒音距離減退計算ですので、実際の範囲は遮蔽物によってもっと薄まるでしょう。しかしこれはいかんですよ。
特にチェーンソーの音は、回転数によって大きくなったり小さくなったりします。
昂ぶったり弱まったり、ときに荒々しく。
それでいて繊細なタッチを決して忘れずにそう・・・
あわてずに、ゆっくりと・・・来て・・・ハァハァハァ・・・♡
し、失礼・・・「奥さん!」のくだり以降なんだか興奮してしまいました。
※1「ランバージャックス」
秘密(?)薪割り結社。「自然と人間をつなぐ」ことを経営理念に岡本篤が2012年に立ち上げた。
通称『島崎煙害事件』は2012年12月、匿名で煙への苦情がポストに投函されたことから、島崎先生のご両親が薪ストーブの使用を断念したという事件。その後、使わなくなった薪ストーブを島崎先生の新居へ移設することになったことから、島崎先生が実行犯という説もある。が、今や真相は闇の中である。
※3 「街場薪ストーバー」
岡本杜長が命名した「街場薪」を勝手に変換したもので、いわば住宅街で薪ストーブを導入する人たちのこと。「街場薪」とは、公園などの緑樹を剪定したものが、廃棄物として焼却炉で無駄に燃やされる寸前に頂戴して薪となった物を指す。
※4 「ピッツァもパスタも禁止」
お好み焼きもうどんも禁止でんな。←でも可とする。
※5 「チェーンソー2台を2人で同時に振り回したりする」と、はたして騒音も2倍(100dB+100dB=200dB)になるのか?これも実際どうなのか気になったので、参考までに計算してみました。
100dB 100dB
---- ----
10 10
10×log(10 +10)
=10×log(10の10乗 + 10の10乗)
=10×log(10000000000 + 10000000000)
=10×log(20000000000)
=10×10.3010299957
≒103dB ← 意外や意外!・・・2倍どころかたったの3%しか大きくならないのですね。これは、1台だと休み休み作業を行なうのに対して、2台だと休みなしに音を出し続けることで余計にうるさく感じてしまうのでしょうね。
※6 「騒音距離減退計算ってのをやってみました。」っつっても数値を入力するだけで計算してくれる便利なサイトがあるのでした。(http://kijie.com/compute/cal/noisevibrate/)
※7 「苦情を言われても『お前そんなん言うんやったら二度と薪使うなよ!』と胸を張って言える時代がいつかきっと来る!!」
そんな時代が来るのか?来ないのか?
いや、やっぱ来るのか?
どっちなの?
そう・・・あわてずに、ゆっくりと・・・来て・・・ハァハァハァ・・・♡
おしまい。