袴の着付け

一緒に合気道をしているある後輩の袴が、稽古中にいつも乱れて、ズレて、グダグダになってしまうことが多かった。その度に掛かり稽古を中断して、袴を直さなければならなかったので、「今度、袴の着付け教室しよか。」と、先輩風を吹かせていた。


昨夜、道場の更衣室で、先生と一緒に袴を履きながら、着崩れないポイントを、その後輩に教えることをイメージしながら、いつもよりしっかりめに着付ける。


合気道では、女性は五級から袴を履くが、男性は初段になってからしか履けない。その後輩は、女性なので、俺よりももっと先に袴を履き始めたというのに、袴を履くことにおいては後輩の俺が教えてやんなきゃならないなんて、ヤレヤレしょうがないなぁとか、思いながら(キメ顔で)道場へ向かう。その道中、どうも袴が窮屈だな。いつもと違うな。変だなー、変だなー。おかしいなー、おかしいなー。と思っていたら、どうやら左足を入れる箇所に、左足と右足どっちとも突っ込んでいたようだ。

 

 

 

 

 

 


「今度、袴の着付け教室しよか。」

 

 

 

 

 

 

 


どの口が言うとんねんっ!