金時豆

俺は甘く炊いた金時豆が嫌いだ。


言っておくが俺は、決して甘い料理が嫌いなわけではない。例えば卵焼きは甘いほうが、より美味しいと思っているし、牛肉のしぐれ煮なんて甘くないと始まらない。あの悪評高き、酢豚に入っているパイナップルも全然有りだと思っている。しかし、甘く炊いた金時豆なんて、白ごはんのおかずにもならないし、酒のアテにもならないではないか。かと言ってデザート感覚で食べるには、あまりにも辛気臭い食べ物だ。(もし、甘く炊いた金時豆が大好きな人がいたら、ごめんなさいね。)

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つまり、食べるタイミングがよくわからないので、俺にとっては謎の料理でもある。存在する意味がまったくもってわからないのだ。ときどき、この甘く炊いた金時豆がお弁当に入っていることがあるのだけど、蓋を開けて見つけたら、真っ先に食べてしまう。甘く炊いた金時豆なんて、入ってなかったことにして、一度気持ちも真っさらにリセットしてから弁当を食することにしているのだ。

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落ち着け。落ち着くんだ俺よ。大したことない。だから、そうやってすぐにイラつくのはやめるんだ。早起きして弁当を作ってくれた妻に悪いと思うだろ?いやいや、俺が嫌いなこと知ってて、嫌がらせで入れてんじゃないかとか考えるんじゃないよ。ほら、イライラしたまま食事すると、きっと消化にも良くないぞ。それに、見てみろ。もう入ってないだろ?な?気のせいさ。オーケー、そこには最初っから何も入っていない。ふぅ(深呼吸)。では、いただきまーす。

 

 

 

 

……という具合にだ。

 

 


今朝も台所に置いてある弁当箱を何気なくのぞいたら、片隅に甘く炊いた金時豆を発見したので、思わずその場で食べてしまおうとしたのだが、妻に全力で阻止された。どうやら、おかずゾーンの穴埋めに困ったときには、最適なアイテムなのだそうだ。どうりで一度弁当に入りだしたら、しつこく小出しにしてくるわけだ。

やれやれ温存してやんの……て、おいっ!妻よっ!!聞いているのかっ?!

 

もう一度言うぞ。

 

俺は甘く炊いた金時豆が嫌いだ。言っておくが俺は、決して甘い料理が嫌いなわけではない。例えば卵焼きは甘いほうが、より美味しいと思っているし、牛肉のしぐれ煮なんて甘くないと始まらない。あの悪評高き、酢豚に入っているパイナップルも全然有りだと思っている。しかし、甘く炊いた金時豆なんて、白ごはんのおかずにもならないし、酒のアテにもならないではないか。かと言ってデザート感覚で食べるには、あまりにも辛気臭い食べ物だ。

 

よーし、じゃあ最後に16ビートにのせて歌うからね。途中からでも歌えそうなら一緒に歌ってみてね。あ、それ、ワンツースリーフォー!

 

俺は甘く炊いた金時豆が嫌いなんだ。(♪移りゆく季節の中で、)言っておくが俺は、決して甘い料理が嫌いなわけではない。(♪君と同じ空を見てた。)例えば卵焼きは甘いほうが、より美味しいと思っているし、牛肉のしぐれ煮なんて甘くないと始まらないんだ。(♪何かが変わるような気がしたんだ。)あの悪評高き、酢豚に入っているパイナップルも全然有りだと思っている。(♪It's gonna be all right.)しかし、甘く炊いた金時豆なんて、白ごはんのおかずにもならないし、酒のアテにもならないではないか。(♪Nobody knows somebody knows.)かと言ってデザート感覚で食べるには、あまりにも辛気臭い食べ物なんだ。(♪それでも僕の声は届かない。)

 

 

 

サビ繰り返し×2

 

 

 

ラーラーラーラララーラーラー

 

ラーラーラーラララーラーラー

 

ラーラーラーラララーラーラー

 

ラーラーラーラララーラーラー

 

 

 繰り返し×4

 

 

 

end.