窓際のコーヒー

電車の窓の桟には、紙パックのコーヒーが取り残されている。 混み合う新快速電車の車内に、空席を見つけた俺は近くにまだ数人の立っている人がいることを少し不思議に思いながら通路を進んだ。空席の前まで来てその理由がようやく分かった。その窓際に置かれ…

映画『自転車の鍵』

映画館で、上映を今か今かと待ってると、客電が落ち新作映画の予告が始まる……ハァ、またいつものやつだ。 大音量で男性ナレーターがたっぷりと余韻を作りながら語り出す。 「これは、ある自転車の鍵を巡る奇跡の物語……田舎町の自転車屋さんで、同じ鍵に手を…

俺の自転車の鍵

自転車を買った。 非常に疑り深い性格の俺は、何か新しく物を買うと防犯面が気になって仕方なくなってしまう。今回も自転車を注文してから届くまでの間、どんなチェーンロックを買うかで悩んだ。 「自転車 鍵 おすすめ」で検索し、ステマ臭のしないサイトやA…

敗北

色々と思うところがあって、今年の夏にスナック菓子を食べるのを一切やめた。単に食べすぎだったことに気づいただけなのだが、あんなに高カロリーで何が入っているのかよくわからないスナック菓子を毎日毎日食べ続けて体に良いはずがない。 お気に入りは、キ…

投げキッス

バスの中にいる美女から投げキッスを送られた俺は、夢中になって投げキッスを返していた。 美女からの思わぬ投げキッスに舞い上がった俺は、気が付くとしばらくバスを追いかけながら三回、四回と両手を広げて投げキッスを返していた。走り去るバスが、坂道を…

部屋と耳栓と私

神鍋高原へ合気道の合宿へ行ってきた。俺は大きなイビキをかくため、同じ部屋の先輩方に迷惑をかけてはならないと思い、配るための耳栓を用意していたのだけど、不覚にも(まったくもって不覚にも)たいそう酔っ払って、誰よりも先に部屋に帰り寝てしまったの…

フィーリング

小学二年生になる甥っ子が、俺に全然なついてこない。子供も子供なりにフィーリングの合わない相手がいるだろうと思うので、俺にとっては、なつくか、なつかないかなんて別にどうでもいいのだけど、義妹にとっては気に病むことのひとつのようだ。 「二人のこ…

長い話

この頃すっかり、ご無沙汰ぶりになってしまっていた方に、ご無沙汰ぶりになってしまっていた理由である首の負傷について話した後に、側にいた次男から「お父さん、話長かったで。」と言われた。 俺は、話の長いおっさんにだけはなりたくないと思って、今日ま…

ナイトプール

今、ナイトプールとやらに、開放感を求めた女性たちが続々と集まってきているらしい。 どうやったら行くことができるのか、調べてみようと思っている。 何か分かったら報告する。 以上

目覚まし時計

いつも目覚まし時計が鳴っても、一旦止めてから、学校へ行く寸前まで寝てる長男が、珍しく早い時間帯に起きてきた。しばらくすると、起こす者のいない寝室から目覚まし時計の鳴る音がしてくる。どうやら止めるのを忘れていたようだ。 面倒臭そうに目覚まし時…

初老

初老だ。体の関節のあちこちは悲鳴を上げているし、この頃なんだか爪や髭の伸び方にも勢いがなくなってきた。なによりも、夜中にトイレに必ず起きてしまう。ええい、言ってしまおう。俺は無呼吸症候群なのだ。 知ってる?あの、睡眠中に呼吸が止まってしまう…

IT

今、IT社長がものすごくモテてるらしい。 どうやったらなれるのか、調べてみようと思っている。 何か分かったら報告する。 以上

ガチムチ2

学生の頃、テニス部だった俺だというのに、細い身体に白い短パンが似合っていた俺だというのに、テニスコートに吹く爽やかな風に前髪がなびいていた俺だというのに、こないだ合気道の後輩から、「ジョーさんって野球部出身っぽいですよね。」と言われた。 心…

知り合いかも?

フェイスブックをやっていると、フェイスブックのお節介な機能が、「知り合いかも」といいながら、たくさんのジジイをおすすめしてくることに最近イラッとする。俺はそれらの知らんジジイを目にする度、かたっぱしから削除ボタンを押している。奴らのプロフ…

恥ずかしいセリフ

誰にでも、思い出すだけで耳がカァッと赤くなる。そんな恥ずかしい言葉をかつて吐いた経験があるはずだ。 それは15年くらい前のこと、僕と妻は不動産屋巡りをしていた。あちこちの中古物件を探していたのだ。一人目の子供が生まれ、荷物も増えてきて、2DKの…

ガチムチ

学生の頃、あんなにスレンダーだった俺だというのに、この頃ガチムチと呼ばれるようになってきた。 心外だ。 現場からは以上です。

薪割りをしていたら、木の中から大量の蟻がでてきた。わさわさという音が聞こえてきそうなくらいの量だ。まぁ、よくあることなので、あまり気にせず作業をしていると、身体のあちこちに刺すような痛みが走る。太ももから始まり、内腿、腰、、、最後は首まで…

白帯と黒帯

合気道初段の黒帯とお免状をいただいた。 合気道では、柔道と同じで初段までが白帯、初段から黒帯になる。合気道といえば、まず袴姿を思い浮かべると思うのだけど、女性は五級になった時から袴が履けても、なぜだか男性は初段にならないと履けないのだ。袴を…

引っ越し

春から新しい職員が増えるため、今の事務所では机が収まりきらなくなり、僕の所属する部署が事務所を引っ越すことになった。 これまで休憩室として使っていた部屋を事務所として使うことになり、年度末の忙しい時期だったが、僕は上司との折り合いが悪く、今…

違和感と絶望感

こないだの土曜日に、合気道の昇段審査が行われ、無事昇段することができました。 さっそく先生が袴を用意してくださったので、さっき恐る恐る履いてみた。覚悟はしていたが、俺は想像以上に袴が似合わない。アニメ『ルパン三世』のクリカン(栗田貫一fromモ…

薪割り禁止

薪割りのハイシーズンだ。この頃は、一日一時間×週に3~4日くらいのペースで薪割りをしていた。最初のうちは面倒くさく感じるが、やっているうちに鈍っていた身体もよく動くようになり、丸太の山が薪に変わって、薪棚に積み上げられていくのが段々と爽快に…

金時豆

俺は甘く炊いた金時豆が嫌いだ。 言っておくが俺は、決して甘い料理が嫌いなわけではない。例えば卵焼きは甘いほうが、より美味しいと思っているし、牛肉のしぐれ煮なんて甘くないと始まらない。あの悪評高き、酢豚に入っているパイナップルも全然有りだと思…

迷惑電話対策

知らない番号が携帯電話のディスプレイに表示されている。 「はい、もしもし?」 「こんにちわ。Jさんの携帯でいらっしゃいますか?わたくし、△△会社の×××と申しまして、今回、Jさんにお役に立てるご案内として、安定した収入が見込めるファミリーマンション…

帰省

年末の帰省、高松に着いてすぐに、うまいと評判のうどん屋に直行するが、大行列が店の外までウネウネ伸びていたので、次の日の朝一番に出直すことにした。 開店前に到着した甲斐があって、うまい具合に座ることができ、かけうどん(小)とぶっかけうどん(小)と…

うまいビールの飲み方

今日は16日ぶりのちゃんとした休みだった。朝五時半に起きて、外の寒さを確かめてから薪ストーブをつけ、炎を見つめていると、思わずビールの栓を開けてしまいたい衝動に駆られるが、グッと堪える。 相当冷え込んでいたので、外には出たくなかったが、尼崎へ…

緑色のやつ

この世に存在する数あるお菓子の中で、イラッとさせられることにかけては、このお菓子の右に出るお菓子はないと、僕が思っている物を今日はご紹介したい。 神戸に本店のあるお菓子屋さんの定番商品なのだが、よく、贈答品としてもらうことがある焼き菓子なの…

ライバル

俺とあいつはライバルだった。俺とあいつは、いつもくだらないことで張り合い、常に互いの行動に目を光らせ、相手の失敗やカッコつけようとした瞬間などを見つけては、すかさずツッコミを入れていた。 そう。あいつとは、俺の双子の兄のヒロシのことだ。中学…

バリカン

バサバサバサッ 新聞紙の上に前髪が落ちた。 え? 一瞬なにが起こったのか、分からなかった僕は、次第にその状況を飲み込んできて青くなる。 僕の右手には、6mmにセットされたバリカンがあり、頭は床に広げた新聞紙の上にもたげさせている。 そもそも、伸び…

テキ屋

「見た目はテキ屋のくせに不器用やなー。」 僕と鉄さんは、町内会盆踊りでの模擬店の準備をしていた。夕方までにヨーヨーを100個膨らませておかなければならないのだ。ヨーヨーとはあれだ。小さなゴム風船の中に少しの水をいれて膨らませて、その縛り口にゴ…

雨の日のキャンプ

「コラコラコラッ。汚い足を上げるなっ。」 テントを仕舞おうと思って車に近づいた僕は、座席の上のカバンに無造作に置かれた長男アタラの足首をむんずと掴んでそう言った。 天気予報の通り、キャンプ初日の夕方から降り出した雨は、夜半過ぎには土砂降りに…